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店舗での応対がよくないと、子ども世代に悪い印象を残す預金残高や預かり資産が少ない子ども世代には、担当者からの連絡が途絶えがちになる給与所得者の子ども世代には、昼間の時間帯に連絡がつかないこれを乗り越えるために金融機関は、将来、資産を相続して富裕層・超富裕層になる可能性が高い顧客を、見極める仕組みやロジックを持たなければならない。
具体的には、年齢・職業・預かり資産残高などの情報に加えて、日々担当者が顧客との会話から収集する情報、インターネットやコールセンターの窓口から入ってくる情報、顧客満足度調査などで得られる顧客の意向などの情報を積み上げ、年齢・職業・預かり資産残高などの外形基準だけではわからない顧客一人ひとりのポテンシャルを組織として判断できる仕組みを持つ必要がある。
金融機関は、富裕層・超富裕層の子ども世代と接点が持てないことに悩んでいる。
実際、子ども世代は金融機関に口座があっても、必ずしも積極的に利用しているわけではない。
子ども世代と新世代富裕層の違いは、金融機関の利用の仕方である。
NRI調査では、富裕層・超富裕層の子ども世代の大手証券での口座保有率は三社平均で15%であった。
また、子ども世代で大手証券をメイン金融機関にしている割合はわずか5%であった。
それに対して、新世代富裕層の大手証券の口座保有率は28%、メイン金融機関である割合は11%である。
その結果、子ども世代は、株式・投信・債券などのリスク性商品の保有率が、新世代富裕層より低くなっている。
なお、子ども世代のリスク性商品保有率は、日本の家計の平均の株式・投信・債券の保有率(それぞれ、22%、8%、4%)よりは高い(金融広報中央委員会「家計の金融資産に関する世論調査」平成18年調査より。
貯蓄を保有していない世帯も含めた保有率)。
また、子ども世代の金融商品の取引規模は富裕層のように大きくはない。
「金融商品を1OO万円以下で取引することが多い」と答えた割合は、子ども世代39%、新世代富裕層2%であった。
つまり、新世代富裕層は、取引規模やその取引の内容によってマス層と区別することができるが、子ども世代は取引状況だけからはマス層と区別がつかない。
子ども世代に特徴的な行動特性を、取引状況以外の点から見つけていかなければならないのである。
富裕層・超富裕層の子ども世代の特徴を、職業・預かり資産残高などの外形的基準や取引状況からマス層と区別できないとしたら、彼らに特有の資産運用の考え方を探っていくべきである。
NRI調査では、「新しい金融商品が出たら、積極的に情報収集をするほうだ」という考えに対して、「そう思う」と子ども世代が答えた割合は、新世代富裕層の25%を上回る34%であった。
「利回りがよければ金融機関を替えてもよい」という考えについても同様である。
子ども世代は、新世代富裕層以上に「能動的」で「合理的」な人が多い。
これについて、富裕層・超富裕層の子ども世代と接触することの多いプライベートバンカーは、次のように話している。
今80歳以上の、戦後の日本の高度経済成長を駆け抜けてきて、莫大な資産をつくった人たちは、要は資産運用をしている暇がなかった。
それが二代目になってきて、彼らはクレバーである(外資系銀行/証券のPB)昔の経営者は、法人取引のある銀行との関係を大事にした。
ところが、最近の若い経営者は、取引関係ではなくて、商品やサービスそのもので選ぶ傾向が強い(メガバンク・グループのPB)第二世代は、考え方が、きわめてドラスティック。
自分なりのネットワークもあり、生まれたときから親がやっていることを見て育っている。
いろいろなところにネットワークもあり、自分で判断し、勉強もする。
いわゆるファイナンシャル・ターミノロジー(金融の専門用語)もよくわかっている(メガバンク・グループのPB)ところが、子ども世代の価値観が新世代富裕層と大きく異なる点が1つある。
それは、「リスクとリターン」に対する考え方である。
NRI調査では、「金融商品を選ぶ際には、たとえリターンが低くても『安全・確実』を最優先にしたい」とする割合は、新世代富裕層58%に対して、子ども世代は77%であった。
これは1946年以前に生まれた旧世代富裕層の73%をも上回っている。
この傾向は、「元本割れする可能性がある金融商品には恐くて手が出せない」「デリバティブなどの最先端商品にも投資してみたい」といった考え方においても同様であった。
つまり、子ども世代は、リスクをとることに慎重であるといえる。
第1番目の仮説は、子ども世代にはまだ資産が少ないため、リスク性資産のことがよくわからないという考えである。
この仮説が正しければ、彼らが親世代の資産を承継し、資産運用を行うようになれば、自然と適正な投資リスクをとるようになるだろう。
第二番目の仮説は、子ども世代には、お金持ちの子弟に特有の「失敗が許されないという意識が強い」という考えである。
資産の面で恵まれた環境に生まれ育ったことが、意思決定を慎重にさせているのである。
この場合、子ども世代が皆「リスク回避的」と見るのではなく、「リスクをとる意思決定をするために時間をかける」と考えるべきであろう。
プライベートバンカーたちは、子ども世代の今後の資産運用について、次のように見ている。
子ども世代は、何か1つに惚れ込んでということはなく、理的だと考えている(メガバンク・グループのPB)親から引き継いだ財産を守っていきたいという考えが強い人と、自分が承継したものだから自分のために運用する人に分かれる(信託銀行のPB)親の世代は、担当するプライベートバンカーの人数は少ないほうがいいと考えることが多い。
一方、次の世代は、人生や事業に対する不安が強いから、プライベートバンカーがチームで対応すると、「こんなすごい人たちが大勢自分を応援してくれるというのは、安心感がある」と考えることが多い(メガバンク・グループのPB)いろいろ比べて選ぶことを好み、自らリスクをとって事業を立ち上げてきた人が多い親世代や新世代富裕層とは異なる子ども世代には、彼らがリスクをとるための「不安」を取り除く必要がある。
たとえば、意思決定に必要な情報を、専門家があらゆる角度から網羅的に集めて提供する体制が有効であろう。
子ども世代は、親世代や新世代富裕層と異なる価値観や行動特性を持っているうえに、金融機関との接点が少ない。
その彼らにアプローチする鍵は「紹介」である。
一見、マス層と区別が付きにくい富裕層・超富裕層の子ども世代ではあるが、金融機関を利用しはじめるきっかけには際立つ特徴がある。
NRI調査では、メイン金融機関を利用しはじめたきっかけとして、子ども世代が選んだトップは、「家族や知人の利用・勧め」(58%)であっ。
この比率は、新世代富裕層の二倍以上である。
子ども世代が信頼できる人の「紹介」に頼るのは、彼らが意思決定に慎重であり、頼るべき人脈が豊富だからと考えられる。
NRI調査では、子ども世代が、「金融資産の管理・運用について公認会計士、税理士に相談する」という割合は19%であった(同じ質問に対するマス層の調査結果はないが、おそらくかなり低いだろう)。
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